情報メディア問題入門2022後期14メディア・リテラシー

■メディア・リテラシーの考え方

そもそも情報とは意味や価値の平準化である。ゆえに意味づけや価値づけという解釈的な実践こそが、情報を工学的世界から人間的知的世界へ引き戻す有力な行為になるはずである。そういう行為としてもインフォアーツを位置づけておきたい。

この点でインフォアーツをさらに具体的に構想する手がかりになるのがメディア・リテラシーの考え方と実践活動である。

メディア・リテラシーの基本的な考え方は、以下の八項目にまとめられている(鈴木みどり編『メディア・リテラシーの現在と未来』世界思想社、二〇〇一年)。

(1)メディアはすべて構成されている。

(2)メディアは「現実」を構成する。

(3)オーディアンスがメディアを解釈し、意味を作り出す。

(4)メディアは商業的意味をもつ。

(5)メディアはものの考え方(イデオロギー)や価値観を伝えている。

(6)メディアは社会的、政治的意味をもつ。

(7)メディアは独自の様式、芸術性、技法、きまり/約束事(convention)をもつ。

(8)クリティカルにメディアを読むことは、創造性を高め、多様な形態でコミュニケーションを創りだすことへつながる。

要するに、メディアは現実をそのまま映し出す鏡のようなものではなく、独自の現実を構築するものであって、その背後には商業的・社会的・政治的要素が存在している。そのため、オーディエンス(オーディアンス)が読み手として批判的に関わっていく必要がある。そのトレーニングをしよう。メディア・リテラシーとは、つまりこういうことだ。

すでに述べたようにインフォアーツも、このようなメディア・リテラシーを含んでいる。カルチュラル・スタディーズの考え方などもあわせて大いに参考にできる。

ただし、これまでのところ、メディア・リテラシーはマス・メディアに対する「消費者教育」の側面が強い。クリティカルであれというのは、マス・メディアに対して人びとが受動的な存在だったからこそ強調されるのであって、現状への抵抗の試みという側面がある。しかし、ネットワークにおいて私たちは消費者としてではなく、まさに支え手であり、それ以上の役割存在になりうることをだれもが承知している。もちろん感受性開発は大事だが、しかし現実構築力を付ける実践へと展開していかなければ実効性をもたないだろう。

ディープフェイクの問題

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