情報倫理とセキュリティ2022後期04パクリ経済

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金銭的インセンティブ論から市場秩序維持機能へ
パクリ経済
模倣、コピー、フェイク、シェア、盗用、コピペなど、この種の行為は文化の展開において重要な役割を果たしています。レシピ、コード進行、流行のファッション、OS、オープンソースなどのフリーな領域について考えます。
K.ラウスティアラ&C.スプリグマン『パクリ経済:コピーはイノベーションを刺激する』に拠る。
原題はThe Knockoff Economyでknock offは「模造品を手早く作る」という意味。この話を知的財産権の議論の前にしなければならない。
A イノベーションの独占理論
イノベーションをコピーから守る知的財産権。
創作者にはコピーを作る権利の独占権が必要だ。
これはイノベーションの独占理論。
音楽業界と製薬業界
B コピーが創造性の役に立つ!
ファッションデザインは著作権法で保護されていない。
商標やロゴは保護されるのに。
むしろコピーのおかげで栄えてきた。コピーが創造性の役に立つ。
なぜ後者が破綻しないのか。
コピー制限がイノベーションにとって重要となるのはどんな場合でなぜなのか。
じつはイノベーションは既存の創造性の上に何かを築く能力が必要。
料理。レシピは著作権で保護されない。創作料理もコピーされる。
それにもかかわらず新しいレシピが創作されている。
コメディアン。新しいジョークの創作。パクリあい。
スポーツのルール。フォーメーション。
フォント。
ビデオレコーダーの発明。1980年代の訴訟。映画産業はますます栄える。
金融産業。銀行、資産運用、保険。新しい投資方法と戦略は特許化されていない。
データベース産業。アメリカでは著作権は認めらていない。ヨーロッパでは認められている。
→模倣がしばしばイノベーションと共存している。
C ファッションにおける創造と模倣
フォーエバー21の模倣。素早くパクる。
ザラは年間1万点の新製品。
ファッションは地位財。それが伝えると期待されるステータスに基づいて購入される。違いを際立たせ、集団への帰属や個性を示すための手段。
→ファッションサイクル「流行ると意味がなくなる」
コピーの自由がスタイルの普及を加速させる。普及が早いほど衰退も早いる衰退が早ければ新しいデザインが求められる。
コピーはサイクルの燃料。誘発された衰退。
トレンドはコピー、参照、再加工によってつくられる。
デザイナーもディフュージョンラインを持つ。低い価格設定。
D コピーを禁じるルールは自由競争という活力を犠牲にして成り立っている
E コピーと創造性は共存できる
①トレンドと流行はアパレルなどの創造的産業で大きな役割を果たす。トレンドの力学。著作権侵害パラドックス。誘発されると衰退と固定化のサイクルが流行を作り上げジャンルを固定化する。
②完全なデジタルコピーが急増するにつれてライブパフォーマンスの体験が重視される。ダンスへの傾斜。レコーディングはライブのための宣伝材料にすぎない。パッケージからパフォーマンス体験へ。
③オープン戦略。オープンソース。ウィキペディア。オープンで、協力的で、本質的に共有に重点を置く。イノベーターは他人が開拓した創造性に手を加えてイノベーションを起こす。
④先行者優位性。先行者利益は模倣者がコピーするのに時間がかかるときに発生する。この時間を確保するのが知的財産権。しかしそれがなくてもリードタイムはある。コピーは流行り物好きに新しいデザインを求めるよう促している。
⑤コピーはブランドを宣伝する役割も果たす。模倣とクリエイティブの関係。業界による判定基準のちがい。
⑥重要なことは、イノベーションによる利益を増やすことであって、コピーの制限ではない。
一方でアンチコモンズ化による自由市場の不全、他方でコモンズ化や海賊行為による権利の侵害について学びます。もちろん、どのような解決法がありうるかについても考えます。
知的財産権とは何か
パクリ経済・対・知的財産権


QRコードの特許戦略

(デンソーウェーブ)クイックレスポンスとオープン戦略

QRコード開発

QRコードソリューション

→高度な読み取り技術をクローズ化して収益源とする

図書館と海賊行為
創造性はどのようにないがしろにされるか

タルド『模倣の法則』を読む。

「社会状態とは、催眠状態と同じく、夢の一形式にすぎない。すなわち、それは強制された夢であり、行動している夢である」(p.126)要するに「社会とは模倣であり、模倣とは一種の催眠状態である。」(p.138)
 →まさにマトリックスの世界観!

発明と模倣。差異と反復。これが社会のダイナミズム。

ジンメルの流行論

流行とは差異化と同化の循環である。

藤本貴之『パクリの技法』

事例満載でとてもおもしろい。考え方も同感である。著者による記事がネットで読める。→「パクリ」が許される作品と許されない作品の差 インスパイアやオマージュもパクリなのか。」

ローレンス・レッシグ『REMIX:ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方』翔泳社。2010年。

商業経済と共有経済のハイブリッド経済
イノベーターではなく、イミテーターになろう。
任天堂 アタリが1975年に発売した家庭用ゲーム機「ポン」を模倣してファミコンを発売。
Microsoftはネットスケープ・ナヴィゲーターを模倣してインターネット・エクスプローラを作ってWindowsに無料でバンドルした。
ディズニーは先行するアニメ会社を模倣するだけでなく、その欠点を分析して、万人に指示されるアニメ映画を作った。悲劇をハッピーエンドにしてしまう。
模倣者は複数のモデルを模倣する。改善に集中できる。失敗に学ぶ。Appleはゼロックスのアルトを模倣してMacintoshを作った。それをMicrosoftが模倣してWindowsになる。
イノベーションとイミテーションを融合する→イモベーション

イモベーションを成功させるための10カ条

1 車輪の再発明はするな
2 模倣を熱狂に変えろ
3 類人猿に倣え
4 すぐに頭に浮かぶものを集めるな
5 物事の脈略を読み取れ
6 ピースを正しく合わせろ
7 タイミングがすべてではないと心得よ
8 より高い価値の高い新製品を作れ
9 攻撃して防御せよ
10イノベートして、イミテートして、イモベートせよ。

シェンカー『コピーキャット』第5章「模倣の能力とプロセス」

オーデッド・シェンカー『コピーキャット──模倣者こそがイノベーションを起こす』
・模倣の心構えを万全とする……模倣を受け入れるだけでなく、模倣をイノベーションと同じように高く評価して奨励する文化や意識を作る。
・模倣対象を参照する……模倣する価値がありそうなモデルを特定し、ターゲットに設定する能力である。
・情報を探索し、標定し、選択する……模倣する価値のある製品、プロセス、サービス、慣行、アイディア、モデルを探し、可能性を見極めて、選択するスキルである。
・対象の脈絡を理解し、自らに適用する……関連性のある環境要因を特定し、原型モデルと模倣をそれぞれの状況に埋め込まれたものとして捉えるスキルである。
・対象に深く潜り込む……単に相関関係を分析するにとどまらず、対象に深く潜り込んで調査し、複雑な因果関係を把握する能力である。
・模倣を実践する……模倣する要素を素早く効果的に吸収、統合、配置し、実務レベル


模倣できないのはなぜか
模倣と創造力の密接な関係
企画力
対象を選択できないということ
社内ベンチャー


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グリッドロック経済(アンチコモンズの悲劇)
マイケル・ヘラー

ハーディン「共有地の悲劇」共有地=コモンズ

解決としての規制と私有化しかし

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多すぎる所有者「要するに、大きくまとまったら最適な利用ができるものを、人々がこわけにして所有したら何が起こるか」ヘラー309


ローレンス・レッシグ「コード」論

パブリックドメイン